October 26, 2018
【BOOK】『柴崎友香の本棚』を終えて。と、「この街の今は」とアセンス【本のうら表紙#11】
【本のうら表紙#11】
『公園へ行かないか?火曜日に』 (新潮社)
『つかのまのこと』 (KADOKAWA)刊行記念
『柴崎友香の本棚』、無事9月末をもって終了となりました。
最終売上冊数253冊
内、柴崎友香さん著作141冊 その他選書本112冊
本編はこちら→【本のうら表紙♯10】
この本棚企画から生まれたミニ企画『この街の今は』。
当初思い描いていた内容をはるかに上回るすてきな投函ばかりで、この街について考えることが多くなりました。
『公園へ行かないか?火曜日に』 (新潮社)
『つかのまのこと』 (KADOKAWA)刊行記念
『柴崎友香の本棚』、無事9月末をもって終了となりました。
最終売上冊数253冊
内、柴崎友香さん著作141冊 その他選書本112冊
本編はこちら→【本のうら表紙♯10】
この本棚企画から生まれたミニ企画『この街の今は』。

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こんばんは。書籍担当のさとうです。

【柴崎友香の本棚】の準備を進める中で、自然と思い浮かんだ企画『この街の今は』。
柴崎友香さんの著作の中に『その街の今は』という作品があるのですが、その作品の舞台は主に心斎橋となっていて、わたしたちが普段過ごしているあそこやここが作中に出てきます。

刊行されてから約10年。
この街はいまどうなっているんだろう?
どんな街でどんな魅力があり、何が変わったんだろう。
実は最後まで実行するか悩んだ企画でもありました。
そんな時ちょうど別の書店で柴崎友香さんのトークを聞く機会があったのです。
柴崎さんはとてもたのしそうに大阪のお話をされていて、
「あぁ、本に直接関わらなくても、柴崎さんの作品には大阪や街、場所や人がたくさん出てくるのだから、それをお客さまと共有することはきっと間違いではないな」と思ったのです。
そして同じくひとつだけ確信があって、それは本を紹介するだけでは届かないことも、その人をかたちづくるものを紹介することで届くことが必ずあるということ。
トークイベント後、すぐに柴崎さんにメールをしたのですが、その時に「大阪のたのしいところ好きなところをもっと伝えていけたら。」とお話ししてくださって、「よし!やっぱり企画を進めよう!」と決めました。
描き方もわからず書いては消し、書いては消して出来た地図。
夜の心斎橋を自転車で走りながら写真を撮っていきました。

心斎橋アセンスの前に来た時に、もう何度も見てきた風景のはずなのにリニューアルの為に閉店した時のことを思い出し、なかなかそこから離れられずにいました。
スタンダードブックストアとアセンスはご近所で、そして以前私自身が働いていたこともあり、交流が続いていたのです。その2店舗をはしごしてもらえたらこんなに嬉しいことはないなと漠然と考え、当たり前のように地図の中にも書き足しました。
もちろん柴崎さんの作品の中にはアセンスが何度も登場します。
期間中『この街の今は』には本当に多くの方が投函してくださいました。





























地図は最終的にここまで埋まり、
柴崎さんも記入してくださいました。
毎日朝起きて電車に乗り、この街に来て多くの時間を過ごしているはずなのに、歩いて街を見ているはずなのに、知らない場所がたくさんあります。
この街について知っていたことは、いつも歩いている場所のことだけでした。
それでもすきな場所や風景はやっぱりあって、銀杏の木が季節と共に変化していくこと、春には神社の桜が満開になっていろんな人が木を見上げていること。道頓堀川の高架下がおもっているより静かで、そこに座って川を眺めること。
この街の全ては知らないし、わからないけど、だけどみなさんが投函してくれた場所や出来事はどれも大切だと思えたし、今までよりこの街のことをより身近に感じるようになりました。
街と本屋についてはいつも代表の中川が話していることで、それについて共感することも多かったのです。街と本屋はどう繋がっているのか知りたかった。
本棚企画を進める中でいろんなことを感じながら過ごしていた時でした。
ある日アセンスで働いている元同僚のいそがみさんがお店に遊びに来てくれたのです。少し話をした所でアセンス閉店について教えてくれました。
本屋が次々と閉店してしまう事は止めようがなく、仕方のない事だとどこかで分かっていてもあまりに身近な出来事で受け止めようがなかった。自分には原点のような場所だった。
柴崎友香さんのパネル展がアセンスで開催されているということもあり、なるべくセットで告知できないかと考え、ツイッター等でお互いがお互いを告知するようになりました。特に2人でそうしようと話してそうなったわけではありません。
この街に訪れる理由が、アセンスやスタンダードブックストアであればうれしいなとただただ思ったのです。
そしてそれを繋いでくれたのは、柴崎友香さんでした。
9/30をもって心斎橋アセンスは閉店。
最後の日が台風ということもあり、29日に遊びに行ったのですがフェア台の前で涙が出ました。
静かに本を並べ、売れていくことはとてもうれしい。
けれどそのやり方もある中で、本をどう届けていくのか。
いつも悩みながら本棚を作っています。
この本棚企画を2年続けて気づいたことがたくさんあります。
ネットでは検索すればヒットし、的確にスピーディーに必要な本が買える。
でもそこには本のタイトルと著者の名前と少しの内容紹介しか記載されていません。
『本屋』ができることは必要な情報以外のものを一緒に届けることなのかもしれません。
柴崎友香さんの作品の中で大切な要素として街や写真、大阪などがあります。
それはひとつのキーワードのようになっていて、普段柴崎さんの本を読んでいる人たちにとっては周知の事実かもしれない。
けれど知っている人は知らない人に比べてほんの一握りです。情報をそっと差出し、共有すること、そして一緒にたのしむこと。それがこの数年でたどり着いた一番自分のやり方に合う方法でした。
何より柴崎友香さんの本と選書本がセットでたくさん売れていて、それが何よりもうれしかった。きっと昔から柴崎さんを知っている方に多く来て頂いたと思うのですが、初めて読みますという方もたくさんいてそれを聞くたびに胸がいっぱいになりました。
「頼まれて買いに来たんです」、「東京から来ました」とお話ししてくださる方、「滝口さんの時に来れなかったことを後悔して今回来れてよかったです」とあたたかくも熱いお手紙をくださった方、他にもきっといろんなきっかけで遊びに来てくださった方が多くいるのだと、今回の企画ではとても強く感じることができました。
最後になりますがわたしにとってこの街の今は、アセンスとスタンダードブックストアなしにはありえません。柴崎友香さんとはじめてお話したのもアセンスで働いていた時でした。
同じ街にあった本屋として、残ったスタンダードブックストアにいる個人として、何が出来るのか。
これからもしっかり考えていきたいです。
またこの場をお借りして全面的にご協力頂いた柴崎友香さんをはじめ、見てるよ見にいくよとお声がけくださった出版社のみなさま、常日頃からわたしの至らないところをフォローしてくれているスタッフ、第一弾開催時より常に気にかけてくださっている滝口悠生さん、そしてなにより遊びに来てくださり、応援してくださったみなさまに心から御礼申し上げます。
それでは。ありがとうございました。みなさまに。
また次のたのしいことでお会いできたらうれしいです。
2018.10.26



柴崎友香さんの著作の中に『その街の今は』という作品があるのですが、その作品の舞台は主に心斎橋となっていて、わたしたちが普段過ごしているあそこやここが作中に出てきます。

刊行されてから約10年。
この街はいまどうなっているんだろう?
どんな街でどんな魅力があり、何が変わったんだろう。
実は最後まで実行するか悩んだ企画でもありました。
そんな時ちょうど別の書店で柴崎友香さんのトークを聞く機会があったのです。
柴崎さんはとてもたのしそうに大阪のお話をされていて、
「あぁ、本に直接関わらなくても、柴崎さんの作品には大阪や街、場所や人がたくさん出てくるのだから、それをお客さまと共有することはきっと間違いではないな」と思ったのです。
そして同じくひとつだけ確信があって、それは本を紹介するだけでは届かないことも、その人をかたちづくるものを紹介することで届くことが必ずあるということ。
トークイベント後、すぐに柴崎さんにメールをしたのですが、その時に「大阪のたのしいところ好きなところをもっと伝えていけたら。」とお話ししてくださって、「よし!やっぱり企画を進めよう!」と決めました。
描き方もわからず書いては消し、書いては消して出来た地図。




スタンダードブックストアとアセンスはご近所で、そして以前私自身が働いていたこともあり、交流が続いていたのです。その2店舗をはしごしてもらえたらこんなに嬉しいことはないなと漠然と考え、当たり前のように地図の中にも書き足しました。
もちろん柴崎さんの作品の中にはアセンスが何度も登場します。
期間中『この街の今は』には本当に多くの方が投函してくださいました。
































毎日朝起きて電車に乗り、この街に来て多くの時間を過ごしているはずなのに、歩いて街を見ているはずなのに、知らない場所がたくさんあります。
この街について知っていたことは、いつも歩いている場所のことだけでした。
それでもすきな場所や風景はやっぱりあって、銀杏の木が季節と共に変化していくこと、春には神社の桜が満開になっていろんな人が木を見上げていること。道頓堀川の高架下がおもっているより静かで、そこに座って川を眺めること。
この街の全ては知らないし、わからないけど、だけどみなさんが投函してくれた場所や出来事はどれも大切だと思えたし、今までよりこの街のことをより身近に感じるようになりました。
街と本屋についてはいつも代表の中川が話していることで、それについて共感することも多かったのです。街と本屋はどう繋がっているのか知りたかった。
本棚企画を進める中でいろんなことを感じながら過ごしていた時でした。
ある日アセンスで働いている元同僚のいそがみさんがお店に遊びに来てくれたのです。少し話をした所でアセンス閉店について教えてくれました。
本屋が次々と閉店してしまう事は止めようがなく、仕方のない事だとどこかで分かっていてもあまりに身近な出来事で受け止めようがなかった。自分には原点のような場所だった。

この街に訪れる理由が、アセンスやスタンダードブックストアであればうれしいなとただただ思ったのです。
そしてそれを繋いでくれたのは、柴崎友香さんでした。
9/30をもって心斎橋アセンスは閉店。
最後の日が台風ということもあり、29日に遊びに行ったのですがフェア台の前で涙が出ました。
静かに本を並べ、売れていくことはとてもうれしい。
けれどそのやり方もある中で、本をどう届けていくのか。
いつも悩みながら本棚を作っています。
この本棚企画を2年続けて気づいたことがたくさんあります。
ネットでは検索すればヒットし、的確にスピーディーに必要な本が買える。
でもそこには本のタイトルと著者の名前と少しの内容紹介しか記載されていません。
『本屋』ができることは必要な情報以外のものを一緒に届けることなのかもしれません。
柴崎友香さんの作品の中で大切な要素として街や写真、大阪などがあります。
それはひとつのキーワードのようになっていて、普段柴崎さんの本を読んでいる人たちにとっては周知の事実かもしれない。
けれど知っている人は知らない人に比べてほんの一握りです。情報をそっと差出し、共有すること、そして一緒にたのしむこと。それがこの数年でたどり着いた一番自分のやり方に合う方法でした。
何より柴崎友香さんの本と選書本がセットでたくさん売れていて、それが何よりもうれしかった。きっと昔から柴崎さんを知っている方に多く来て頂いたと思うのですが、初めて読みますという方もたくさんいてそれを聞くたびに胸がいっぱいになりました。
「頼まれて買いに来たんです」、「東京から来ました」とお話ししてくださる方、「滝口さんの時に来れなかったことを後悔して今回来れてよかったです」とあたたかくも熱いお手紙をくださった方、他にもきっといろんなきっかけで遊びに来てくださった方が多くいるのだと、今回の企画ではとても強く感じることができました。
最後になりますがわたしにとってこの街の今は、アセンスとスタンダードブックストアなしにはありえません。柴崎友香さんとはじめてお話したのもアセンスで働いていた時でした。
同じ街にあった本屋として、残ったスタンダードブックストアにいる個人として、何が出来るのか。
これからもしっかり考えていきたいです。
またこの場をお借りして全面的にご協力頂いた柴崎友香さんをはじめ、見てるよ見にいくよとお声がけくださった出版社のみなさま、常日頃からわたしの至らないところをフォローしてくれているスタッフ、第一弾開催時より常に気にかけてくださっている滝口悠生さん、そしてなにより遊びに来てくださり、応援してくださったみなさまに心から御礼申し上げます。
それでは。ありがとうございました。みなさまに。
また次のたのしいことでお会いできたらうれしいです。
2018.10.26










