January 20, 2018
【BOOK】「全国の将棋好き書店員がおすすめする読む将フェア」【本のうら表紙♯8】その3
【本のうら表紙 ♯8】その3
「全国の将棋好き書店員がおすすめする読む将フェア」
最終回となる今回は、その全貌をご紹介します!
最終回となる今回は、その全貌をご紹介します!
通販ご希望の方はこちら。
通販の一部の商品でクレジットカードが
ご利用頂けるようになりました。 ⇒ こちらから
イベントチケット通販はこちら
「読む将フェア」どんな経緯で行うことになったのか、についてはその1をぜひご覧ください。
改めまして、今回の「読む将フェア」は、北野新太さんの『透明の棋士』『等身の棋士』の本を出されている出版社・ミシマ社さんのご協力と、全国の将棋好き書店員の皆様のご参加があって初めてできたものでした。
まずご紹介したいのは、今回のフェアを行うにあたって私たち将棋好き書店員の思いを(勝手に)表明した「読む将」宣言。
以下その全文です。
--------------------------------------------------------------------------
「読む将」宣言!
「読む将」って?
いま話題の将棋。「指す」だけじゃないってご存知でしたか?
ネット中継などの普及により、将棋を指さずに観て楽しむ「観る将」という新たな楽しみ方が広がっています。
ですが、将棋のおもしろさはそこだけにとどまりません。
私たち本屋は、将棋には「読む」楽しみ方もある!と声を大にして言いたい。
将棋を「指す」「観る」だけではなく、「読んで」楽しむこと。
それが「読む将」です。
将棋のルールや棋士のことがわからなくても、楽しめる本があります。将棋のことがちょっとでも気になっている方に、おすすめしたい本がたくさんあります。
そんな本を全国の将棋好き書店員がセレクトしました!
言葉で味わう、文章で楽しむ「読む将」の世界、ぜひお楽しみください。
--------------------------------------------------------------------------
この熱い文章を考えてくださったのは、将棋を愛するミシマ社の営業リーダー・渡辺さんでした。
『私たち本屋は、将棋には「読む」楽しみ方もある!と声を大にして言いたい。』
そんな思いでスタートしたフェアでした。
全国の将棋好き書店員さんがおすすめの将棋本を出してくださったアンケート。
選ばれている本もさることながら、おすすめコメントが「さすが書店員!」という思わず読みたくなる文章ばかりで、これを見ただけで、これは絶対におもしろいフェアになる!と思いました。
そしてこれらの寄せていただいたおすすめコメントは、駒形のPOPになりました!
1つ1つ、熱い想いがこめられた文章にぜひご注目を!
さらに皆さんのおすすめの「読む将」本とおすすめコメントを1枚にまとめたフリーペーパーもあります。こちらはミシマ社・池畑さん作です!
ちなみに、2017年12/27のイベントにゲストとしてご参加いただいた今泉健司四段のおすすめ本とコメントは、スタンダードブックストア心斎橋限定です!ぜひご注目を!
今回のフェアの顔となるこちらのものすごい看板は、ミシマ社・長谷川さん作。後ろ側の細かいところまでものすごく凝っている超大作です!
さらに、上記の「読む将宣言」にあわせて、せっかくなので今回のフェアのロゴのようなものを作りたいとご相談し、そしてミシマ社の長谷川さんがデザインしてくださったのがこちらの「読む将ロゴ」!将棋の駒の中に小さく本が入っていて、とても素敵です!
こちらのロゴを使って、「立体読む将駒」や、「読む将」帯も作りました。
では、ここからは実際におすすめしてくださった「読む将」本とコメントをいくつかご紹介します!
============================================
・『聖の青春』(大崎善生/講談社文庫)
1人の夭折した棋士の将棋にかけた人生。
尊敬する先輩でした。
(今泉健司四段・選)
私が将棋を指すきっかけとなった本です。村山聖がこれほどまでに全身全霊を捧げた将棋とはいかなるものか、と始めてもう10年は将棋に魅了されつづけています。
(ときわ書房本店 松尾雄介さん・選)
・『将棋の子』(大崎善生/講談社文庫)
映画化された『聖の青春』と合わせて、棋書界の新約聖書&旧約聖書です。どちらかを選べと問われたら、究極の選択でコチラになります。
(報知新聞記者 北野新太さん・選)
棋士になれた人もいれば、なれなかった人たちもいる。そんな将棋に惹かれた人たちの人生劇場です。
(今泉健司四段・選)
幼い頃から「天才」「神童」と呼ばれた者だけが集まるプロ養成機関「奨励会」。年齢制限が迫る中で、毎年プロになれるのはわずか4人。将棋に打ち込む若者たちの、厳しい勝負の世界を描いた傑作。講談社ノンフィクション賞受賞作。
(紀伊國屋書店 広島店 池田匡隆さん・選)
・『羽生善治と現代』(梅田望夫/中公文庫)
【羽生さんはどれだけ凄いのかという本】
将棋ファンは羽生善治という人の凄さをファン以外の人に説明するすべがない。言葉にしようとしても零れ落ちてしまう羽生さんの凄さを一冊の本にまとめた本。
(丸善 仙台アエル店 中崎悠人さん・選)
「将棋は、指さずとも楽しむことができる。」IT企業経営者による異色の観戦記。観るファンに、将棋の楽しさを分かりやすく解説してくれる良書。
(紀伊國屋書店 広島店 池田匡隆さん・選)
・『泣き虫しょったんの奇跡』(瀬川晶司/講談社文庫)
毎回読んで毎回涙腺が緩むのは「ごめん、俺、頑張ってなかった」。
(報知新聞記者 北野新太さん・選)
尊敬する先輩の1人、瀬川晶司さんが夢を掴み取った物語。私はこの人がいなければ、プロ棋士になることができませんでした。映画化されます。
(今泉健司四段・選)
深い絶望の淵から著者を救ったのは「将棋が好きだ」という強い想いと、多くのひとの支え。それはやがて「奇跡」に結実した。実直な筆致でつづられた半生は、読むひとに力を与え、将棋への関心を惹くはずだ。
(七五書店 熊谷隆章さん・選)
・『不屈の棋士』(大川慎太郎/講談社現代新書)
羽生善治竜王、渡辺明棋王、さらには電王戦出場棋士らによるコンピュータとAIへの思いや姿勢がよくわかります。山崎隆之八段の章には、棋士とは何か、という神髄があります。
(報知新聞記者 北野新太さん・選)
もはや避けて通ることのできない、「将棋と人工知能」。棋士の職業はコンピュータに奪われるのか。突きつけられた現実と、棋士それぞれの想い。かつて羽生は「勝負を決めるだけならジャンケンでいい」と言い切った。人間が限界に挑戦する所に勝負の面白さがある。改めてそう気づかされた。
(紀伊國屋書店 広島店 池田匡隆さん・選)
・『名人に香車を引いた男』(升田幸三/中公文庫)
名人・木村義雄、大山康晴に挑む主人公。不世出の棋士の魅力が伝わる一冊です。棋士=真面目というイメージを打ち消すには良いエピソードがたくさんあります。
(ウィー東城店 佐藤日出夫さん・選)
この本を読めば、己が建てた決意や決心みたいなものがどれだけ自分の人生に効いてくるかがよくわかる。才能ってのも当然あるだろうが、人間、決意したところからすべてが始めるんだと清々しい気持ちになれる一冊。
(ミシマ社の本屋さん 渡辺佑一さん・選)
・『真剣師 小池重明』(団鬼六/幻冬舎文庫)
まっさきに浮かんだ一冊。賭け将棋だけで生きた伝説の真剣師、小池重明。酒と博打に溺れる重明を、陰で支え続けた団鬼六。「新宿の殺し屋」と恐れられたその壮絶な生き様を、圧倒的筆力で描いた傑作ノンフィクション。将棋のルールを知らなくても、物語として夢中に読めます。
(紀伊國屋書店 広島店 池田匡隆さん・選)
プロ棋士になれなかった主人公がプロを次々と破る。将棋だけは強いものの私生活は破滅的である主人公に心惹かれました。
(ウィー東城店 佐藤日出夫さん・選)
============================================
そして、お気づきでしたでしょうか。この「読む将フェア」。全国各地で少しずつ広がりつつあるのを!
・丸善 仙台アエル店さん(宮城)
・ジュンク堂書店 仙台TR店さん(宮城)
・HMV&BOOKS SIHBUYAさん(東京)
・七五書店さん(愛知)
アンケートに参加してくださった将棋好き書店員の方が各地で「読む将フェア」を開催されています!
当店でのフェアは残念ながら1月末をもって終了してしまいますが、「読む将」の世界は、実際の将棋の世界の盛り上がりと共に、ますますおもしろく、そして豊かになっていくだろうと思います。
なので、この「読む将フェア」が、全国のいろんなお店で、それぞれの形で、楽しく広がっていくといいなあと勝手ながら願っています。
最初にご説明したように、この「読む将フェア」は、ミシマ社さんと共同で企画して始めたフェアです。なので、もし、この記事やツイッターや何かで見て「読む将フェア」に少しでも興味を持たれた方、自店でもやってみたいとお考えの方は、ぜひミシマ社さんへご連絡ください。
当店でも使わせていただいた看板やロゴ、フリーペーパーなどの他、帯のデータなども店名を変えてお使いいただけます!
※当店作成の段ボール製「立体読む将駒」も1つありますので、ご希望のお店はぜひミシマ社さんへお声かけを!
最後になりましたが、今回の「読む将フェア」のきっかけでもあり、イベントにもお越しいただきました、報知新聞記者の北野新太さん、そしてゲストの今泉健司四段、フェアにご賛同いただき、ご参加いただいた全国の将棋好き書店員の皆様、何より開催にあたりたくさんのお力をくださったミシマ社の皆様、本当にありがとうございました。
「全国の将棋好き書店員がおすすめする読む将フェア」、スタンダードブックストア心斎橋では1月末まで開催しております!
将棋が指せなくても、ルールも棋士のことも知らなくても、楽しむことができる本、言葉や文章から感じられる将棋の世界・棋士の魅力がたくさんあります。
この機会にぜひご覧くださいませ!!
書店のまん中から「将棋が好きだ!」と叫ぶことができてとても幸せでした。
これからも、将棋とそして本が、皆様のくらしのそばにあることを願っています。ありがとうございました。