December 22, 2016

【BOOK】悲しみの秘義【本のうら表紙♯3】

kanasimi


本のうら表紙♯3
本日ご紹介するのはナナロク社から刊行された、
悲しみの秘義
著者は若松英輔さん。
発売から約1年経ちますが、それでもご紹介しておきたい理由が、
この本には多くあります。


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こんにちわ。書籍担当のさとうです。

ホーリーさんグッズのキャップ、スタッフの購入率が高いので、ここにもホーリーさん!あ、ここにも!とちょっとおもしろいです。スタッフからモテモテのホーリーさん。

さて本日の【本のうら表紙♯3】は悲しみの秘義のご紹介です。

♯1はこちら
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刊行から1年。
多くの場所で語り尽くされてきた悲しみの秘義

kanasimi
それでもご紹介したいのは、この本により多くの人に出会ってほしいから。とても単純な理由です。

悲しみの秘義は2015年冬に、ナナロク社さんから刊行されました。
著者は若松英輔さん。

この本はカバーが6種類あり、表紙は9種類。
青が印象深いもの、ピンクが飛び込んでくるもの。購入するときの気分で選べます。本の詳細はこちら

aida


ブログにこの本のことを書こうと思ったとき、本当はもうすこし簡単に書けると思っていました。なぜならこの本がとてもすきだから。
でもいざ書こうとおもうと、この本のよさをどう伝えたらいいのかわからなくなってしまった。とてもむずかしい。心の中の言葉が先走ってしまって、うまく書けないのです。
こういう経験は何度もしていますが、みなさんも多かれ少なかれあるんだろうなぁ。でもこの本に書いてあることってまさしく「こういうこと」だなぁ、とも思ったのです。

この本は数多くの名著から言葉が引用され、
その言葉の中にある悲しみに若松さんが寄り添い、一心に引き受け、言葉にした25編のエッセイです。
今回ブログを書くにあたり、三度読み返してみたのですが、やはり心に迫ってくる言葉は読む度にちがいます。

その人自身にしかわかりえない心の痛み。
大切な人を失ってしまったことによって抱えてしまう悲しや痛みは、軽々しく言葉にできないもの。
悲しみの深さや痛みは見た目だけではわかりません。大好きなあの人も、隣のあの人も、悲しみを心の奥に抱えているかもしれない。
生死に関わる傷みでなくても、多くの悲しみを経験しているひとはたくさんいる。悲しみを抱えていない人などいない。
だからこそこの本は多くの人に響く一冊なのだと思います。

いつもは悲しみをひた隠しに生きている数多くの人、そのひとたちの心の深い場所に語りかけ、そっと寄り添う。

いま、しんどいなぁ、つらいなぁと心の琴線が敏感になっているひとは、「読み進めたい」と思う気持ちと「気軽に読めない」という気持ちが同居し、何度も本を閉じてしまうかもしれません。
言葉の衝撃に耐えるには、本を閉じずにはいられないのです。一度、ことばを受け止めて自分と向き合う必要があるように思えてくる。

岩崎航さんが書かれた詩集「点滴ポール」を引用する「勇気とは何か」という章があります。


ここにいる そこにもいる
目の前にいる普通の人こそ
知られざる
勇者であること
わたしは生きて知りました


どんな些細な光をも
捉える
眼を養うための
くらやみ


自分が抱えるということは、生きる人すべてがその気持ちを抱えるであろうというやさしい気づき。
悲しみや絶望を背負うことでみえてくるやさしいひかり。

宮沢賢治、リルケ、須賀敦子、石牟礼道子、その他多くの著者、
そして若松英輔さん。

多くの悲しみを経た言葉に触れ、自分が抱える悲しみと、再度向き合える1冊です。
そして、書くという行為にも向き合える1冊でもあります。
心を開いて、ページをめくってみてください。

きっと忘れえぬ読書体験になるとおもいます。

「人生には悲しみを通じてしか開かない扉がある。
悲しむ者は、新しい生の幕開けに立ち会っているのかもしれない。」




次回【本のうら表紙♯4】はまた少し本から離れて「歌舞伎を見に行ってきた。」です。
歌舞伎?と思われる方もたくさんいるかと思うのですが、それはまた次回のブログでお話しさせて頂こうかとおもいます。

それではまた、2017年にお会いしましょう。みなさまよいお年を!
年末ぎりぎりまでスタッフ一同お客様のご来店、お待ちしております。


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