April 20, 2016

【EVENT】『大阪のひきだし』建築家・橋本健二

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『私は、家づくりでは「余白を残す」ということが何より大切だと思っています。建物が完成したそのときが終わりではなくて、2、3年でその家族の空気が浸透していくような、住んで1、2年後くらいからしみじみ「いいなあ」と思えてくるような感じを出せることを目指しています。』【撮影:笹の倉舎・笹倉洋平】

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『まず、作りこみすぎない、デザインしすぎないといったことがあります。家族の空気が染み込むような場を残すことでしょうか。そして、廊下や階段などの部屋から部屋へ向かうときのアプローチも、ただ明るいだけではない光の入り方など、空間の効果を長い目で見て考える必要があります。』【撮影:笹の倉舎・笹倉洋平】

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『作り手の情熱、思いの強さという意味で言えば、建築の世界においても最近、見た目のデザインは洗練されているかもしれないけど、作り手の匂いや空気感、人間の感情、愛を感じられない建築物が多い。写真もそうですよね。なんとなく薄っぺらいというか、残らないというか・・・』【撮影:笹の倉舎・笹倉洋平】

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『あまり押し付けないということです。施主の希望を聞きながら自然に進めていきます。そうすると施主との想いと私の個性が融合され、結果的に自分らしいものになっていきます。』

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『リノベーションみたいなものもここ数年よく見るけど、さっき言った建物の空気感であるとか、そういう意味では浸透してきてなくて。価値観みたいなものね。僕がいたあの場所も、今はマンションの工事が入っていってるけど、全く魅力を感じられない。介在する職人さんを見てても普通の人達で、“思い”としたら違うよね。建物を作る時ってそりゃ思いを込めてるのに、解体する時っていとも簡単にあぁやって壊していくでしょ?そんな正反対なものを見てるとすごく「うーん…」って考える訳よ。』

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『だって昔は、ある程度の住宅や町屋は大工さんがデザインしてたでしょ?作る側がデザイナーでもあったからね。作り手の思いも含めて、そんな事がどんどんなくなってきてるから、やっぱりそこに違いがあるんじゃないかな。僕ら設計者や大工さんでもそうやけど、その人達と共有できるものが図面だけじゃダメでしょ。それって凄く大事なところやと思う。』

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『いえいえ。まぁでも、以前僕がいた事務所では鍛えられたからねぇ。「“和”って何や?」「それは“プロポーション”や」とか、「水平なラインを綺麗にしなさい、橋本君」みたいなね。建築・インテリア・音楽・小説・映画とか全部、色んな事教えてくれた。暇があったら「橋本君、映画観に行こう!」って、当時の三越劇場とか行くんよ。僕、自分で事務所してたらそんな事できる余裕ないもんね。あとは“色”とか“色気”やね。色気は大事ってよく言われてたね。』

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『それを大事にせなあかんってよく教えられたけど、どうすれば良いか分からへんから、デザインができなくてもいくつもプランを立てて何十枚も描いて見せる訳よ。それまでの数年間が一番しんどかったね。他にもヌーボーとかデコとか、色んな様式も教えてもらってね。すごく勉強になりました。今やったらパソコン上ですぐ出来たりするけど、そこまでの“線”の決め方やね。今でもよく言うけど、ライン、特に曲線は絶対に自分の手でもっと描くべき。そこから色々決まってくる。後の作業はパソコンでもいいけど、その空気感の違いって絶対あるんですよ。』


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建築家・橋本健二さんの言葉に『何か』を感じたら今夜のイベントにお越しください!

2016年5月20日(金)19:30〜
@スタンダードブックストア心斎橋

STANDARD BOOKSTORE presents
『大阪のひきだし Vol.02-橋本健二-』
建築家・橋本健二×中川和彦


詳しくは → こちら


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