October 18, 2012
【BOOK】中南米文学ここ最近の新作です。
「ビルバオ―ニューヨーク―ビルバオ」
キルメン・ウリベ(著)
金子奈美(訳)
白水社
¥2,400+税
バスク自治州出身の作者による本名を主人公とした擬似私小説。バスク語文学の最先端で国際的に文壇で活躍する70年生まれの若手旗手。バスク中心都市ビルバオからニューヨークへと飛び立つ飛行機。バックトゥバックで抽象と具象を往復する無二的に幻想的な文体は、やはり「バスク」がひとつの固有の領域であり、最古の言語話者が息衝く土地であることを強く思わせる作品。とはいえ変にかしこまった伝統踏襲的な印象もなく、作中にはフェイスブックも出てきたり。反芻するバスクとアメリカの記憶。珠玉の処女作!!
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「無声映画のシーン」
フリオ・リャマサーレス(著)
木村榮一(訳)
ヴィレッジブックス
¥2,000+税
「黄色い雨」が日本でも絶賛を浴びた現代スペインの代表作家による、短編形式の回想録。炭鉱町で過ごした著者自身の幼少期を辿りながら白昼夢のような映像的文章で綴られる28篇の淡く切実な記憶旅行。リャマサーレスの絶技的な美文が光る名著&木村氏の名訳!去年は東京来日してたんですが行けず。。次こそは会いたい。私事ですが。。
―この写真にあるように、濡れそぼったオーバーを着、目は一点をじっと見つめ、目出し帽をかぶり、まだほんの子供だったけれども永遠も寒さもちっとも怖れていないというような歩き方をしてカメラを見る眼差しは、実はすべて彼を真似ていたにすぎない。―『7.冷え込み』
*BF 海外文学の棚