February 29, 2012
【EVENT】『続・ぼくの鹿児島案内』の岡本仁さんと『HUgE』の右近亨さんの共通点!?
3/11(土)にトークショーをしていただく『続・ぼくの鹿児島案内』の岡本仁さんと新生なった『HUgE』の右近亨さんの発言に共通点があります(岡本さんはHUgEに寄稿もしています)。
自分がいいと思ったものを世に出す、今の読者に違和感を感じている・・・。
少し長いですが、ご紹介いたします。
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『自分の疑問を出発点にすることと、遅れてるよねって言われても恥ずかしくないものを作るっていうことですね。
なぜなら、それは世の中の先を行ってるから取り上げたいと思ったんじゃなくて、それがいいとおもっているから作っているわけで、それが今の流れだけを気にしている人にとってはもう過去のものだったり、遅れているものだったりするのかもしれないけど、いいものであるということには変わりはないから、”これはいいものだ”って自分で信じていれば堂々とやればいいということですよね。』
『多分作り手だけじゃなくて、もしかしたら読者もそうなんじゃないかなと思うんですけど、自分の知らないことに関心を持たなくなってきているような気がするんですね。知っていることが載っていると安心して、買ったり読んだりしてくれる。でも僕は、面白いことって自分が知らないことだと思うんですよ。だから自分が知らないものが載っているから面白いっていう感覚を、まず作り手が持たなきゃいけないと思うし、読んでいる人にとっても、何か全然知らないのばっかり載っているんだけど、たまに載っている知っているものが自分の好きなものだったら、それを足がかりにして、知らないものに興味を持とうという気分になるのではと思っています。自分の枠を広げていきたいと考えてくれないかな、そういうことは常に思っていますよね。だからマイナーとか、よくサブカルとか言われるけど、自分がやっていることがマイナーだとかサブカルチャーだと思ったことはないし、そういわれると腹が立つ(笑)。』
以上、菅付雅信編著『東京の編集』(ピエブックス)より・・・これお薦めの本です。残念ながら品切れ重版未定。
以下、HUgE HPのコラムより
「なぜ『HUGE』はブレている写真やモノクロの写真など、洋服がよく見えない写真を載せているんですか?」
昨年、僕の母校で「OB講義」が開かれ、その講師として柄にもなく教壇に立つことになりました。テーマは「テレビと雑誌の制作最前線」。実娘にパワーポイントを手伝ってもらい、なんとか90分の授業を終え、最後に学生からの質問を受付けたところ、こう尋ねられました。
核心を突いた良い質問に、思わず僕は「ここからもう一度90分の講義を始めたい」と思いました。
ファッション雑誌はいつからカタログ雑誌になったのでしょうか?
僕が雑誌の編集を志した1980年初頭、カタログ雑誌という言葉はすでにありました。僕が毎号購読していた雑誌もそう呼ばれていた。そこには「洋服や雑貨を売るための道具=カタログ」という揶揄が込められていました。「雑誌がもつべきジャーナリズムや芸術性、エンターテインメント性を放棄し、ただ消費の動機付けにすぎない」とか「カルチャーはなく、購買のためのチラシ」とかの批判がぶつけられていました。
でも、読者である僕はそうは思わなかった。カタログ雑誌とよばれていたファッション誌の中にも、ジャーナリズムは感じられたし、アートも娯楽も十分楽しめたからです。日本で買うことができないスニーカーが掲載されていてもまるで疑問に感じなかったし、輸入盤しかないアーティストのインタビューもワクワクしながら読めたからです。
しかし、実際に自分がファッション誌で仕事するようになり、以前大人たちが批判していた意味がなんとなく判るようになりました。編集者が本当に自分たちの愛するものを集めているだけはではないこと。政治や経済によってページが作られていること。それらを現実として痛いほど感じたからです。
しかし、それ以上にもっと大きな原因がある、と僕は思いました。
それは、いつしか読者もファッション誌ではなく、カタログを求めるようになったからです。もっと誰が見てもわかりやすいカタログを。
「より多くの商品を」「より買い易い商品を」「よりわかりやすい商品を」
1ページに何十点もの商品が掲載され、高価なものや日本で売られていないものは敬遠され、モデルには外人が禁じられ、身近に感じられるハーフが選ばれ…。
こうしていつしか、ファッション誌は自らの手で自らの首を締めていった。より多くの読者を獲得するために、それにより多くの広告を集めるために、クリエイティビティを犠牲にすることにためらわなくなったのです。
ファッション誌は、読者にとってどれだけ優れたバイヤーズガイドであるか?
それによって部数が増え、広告が集まり、勝ち組として生き残っていきました。
そして、かっこイイ人はどんどん減ってゆき、
ファッション自体が少しずつ勢いがなくなってゆきました。
ファッション雑誌とは、何でしょうか?
そもそも、ファッションとは、何でしょうか?
僕は90年代の中頃に、この命題を重く受け止め、ふたりのスタイリストと3人で新たなファッション雑誌を作ろうと計画し、動いたことがありました。しかし、僕らには経済力もなく、大人を納得させられるプレゼン能力もなく、その上貧乏暇なしで時間もなく、結果、志は折れました。
その志とは「日本で一番かっこイイファッション誌を作ろう」というものでした。
服を売るための雑誌ではなく、ファッションを表現する雑誌。
企業が喜ぶ雑誌ではなく、フォトグラファーやスタイリストや
アートディレクターが喜ぶ雑誌。
さらには、ファッション好きな男をもっともっと増やすために、
日本の男たちをもっともっとお洒落にするために、俺たちの創る雑誌で啓蒙しよう、
そんな大それたことまで考えていました。
今、『HUGE』の中核を担っていただいている野口強さんは、そのひとりです。
かっこイイというのは、あまりにも稚拙で曖昧な基準です。
何をもってかっこイイとするのか?
その答えは自分たちにある。自分たちがかっこイイと思うものが正解。
自分たちが共に仕事をするクリエイターがかっこイイと思うものをやろう。
だから、写真はブレていてもいいのです。
モノクロでもいいのです。
ピンが来ていても、カラーでもいいのです。
かっこよければ、それでOK。
かっこイイに、国境はありません。世界共通です。
かっこイイに、理屈は要りません。問答無用です。
そのため、かっこイイは時に脆弱で、難解で、冷酷で、傲慢で、孤独です。
ひょっとしたら、これからの時代には適さない哲学かもしれません。
しかし、僕らは、かっこイイという最高の美徳をめざした
ファッション雑誌を作っていきたいという野心に溢れています。
そして、新しい雑誌がもうすぐ誕生します。
リニューアルした『HUGE』です。
これまでの『HUGE』よりも、もっとかっこイイ!
100%ピュアな、蒸留水みたいなファッション雑誌ではないかも知れません。
でも、かっこイイファッション雑誌という目標のもと、
ただその一点を見つめて、可能な限り真っ直ぐに、出来る限り全力で創ったファッション雑誌です。
2月24日、その姿を現します。
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『続・ぼくの鹿児島案内』刊行記念
岡本仁×谷口純弘特別対談トークショー & サイン会
【出演】
岡本仁
谷口純弘
【日時】
2012年3月11日(日)
開場11:30 開演12:00
【会場】
スタンダードブックストア 心斎橋 BFカフェ
大阪市中央区西心斎橋2-2-12
クリスタグランドビル
TEL 06-6484-2239
■営業時間:11:00〜22:30
【料金】
1,000円(税込)
★1ドリンク付き!
詳しくはこちら
なぜなら、それは世の中の先を行ってるから取り上げたいと思ったんじゃなくて、それがいいとおもっているから作っているわけで、それが今の流れだけを気にしている人にとってはもう過去のものだったり、遅れているものだったりするのかもしれないけど、いいものであるということには変わりはないから、”これはいいものだ”って自分で信じていれば堂々とやればいいということですよね。』
『多分作り手だけじゃなくて、もしかしたら読者もそうなんじゃないかなと思うんですけど、自分の知らないことに関心を持たなくなってきているような気がするんですね。知っていることが載っていると安心して、買ったり読んだりしてくれる。でも僕は、面白いことって自分が知らないことだと思うんですよ。だから自分が知らないものが載っているから面白いっていう感覚を、まず作り手が持たなきゃいけないと思うし、読んでいる人にとっても、何か全然知らないのばっかり載っているんだけど、たまに載っている知っているものが自分の好きなものだったら、それを足がかりにして、知らないものに興味を持とうという気分になるのではと思っています。自分の枠を広げていきたいと考えてくれないかな、そういうことは常に思っていますよね。だからマイナーとか、よくサブカルとか言われるけど、自分がやっていることがマイナーだとかサブカルチャーだと思ったことはないし、そういわれると腹が立つ(笑)。』
以上、菅付雅信編著『東京の編集』(ピエブックス)より・・・これお薦めの本です。残念ながら品切れ重版未定。
以下、HUgE HPのコラムより
「なぜ『HUGE』はブレている写真やモノクロの写真など、洋服がよく見えない写真を載せているんですか?」
昨年、僕の母校で「OB講義」が開かれ、その講師として柄にもなく教壇に立つことになりました。テーマは「テレビと雑誌の制作最前線」。実娘にパワーポイントを手伝ってもらい、なんとか90分の授業を終え、最後に学生からの質問を受付けたところ、こう尋ねられました。
核心を突いた良い質問に、思わず僕は「ここからもう一度90分の講義を始めたい」と思いました。
ファッション雑誌はいつからカタログ雑誌になったのでしょうか?
僕が雑誌の編集を志した1980年初頭、カタログ雑誌という言葉はすでにありました。僕が毎号購読していた雑誌もそう呼ばれていた。そこには「洋服や雑貨を売るための道具=カタログ」という揶揄が込められていました。「雑誌がもつべきジャーナリズムや芸術性、エンターテインメント性を放棄し、ただ消費の動機付けにすぎない」とか「カルチャーはなく、購買のためのチラシ」とかの批判がぶつけられていました。
でも、読者である僕はそうは思わなかった。カタログ雑誌とよばれていたファッション誌の中にも、ジャーナリズムは感じられたし、アートも娯楽も十分楽しめたからです。日本で買うことができないスニーカーが掲載されていてもまるで疑問に感じなかったし、輸入盤しかないアーティストのインタビューもワクワクしながら読めたからです。
しかし、実際に自分がファッション誌で仕事するようになり、以前大人たちが批判していた意味がなんとなく判るようになりました。編集者が本当に自分たちの愛するものを集めているだけはではないこと。政治や経済によってページが作られていること。それらを現実として痛いほど感じたからです。
しかし、それ以上にもっと大きな原因がある、と僕は思いました。
それは、いつしか読者もファッション誌ではなく、カタログを求めるようになったからです。もっと誰が見てもわかりやすいカタログを。
「より多くの商品を」「より買い易い商品を」「よりわかりやすい商品を」
1ページに何十点もの商品が掲載され、高価なものや日本で売られていないものは敬遠され、モデルには外人が禁じられ、身近に感じられるハーフが選ばれ…。
こうしていつしか、ファッション誌は自らの手で自らの首を締めていった。より多くの読者を獲得するために、それにより多くの広告を集めるために、クリエイティビティを犠牲にすることにためらわなくなったのです。
ファッション誌は、読者にとってどれだけ優れたバイヤーズガイドであるか?
それによって部数が増え、広告が集まり、勝ち組として生き残っていきました。
そして、かっこイイ人はどんどん減ってゆき、
ファッション自体が少しずつ勢いがなくなってゆきました。
ファッション雑誌とは、何でしょうか?
そもそも、ファッションとは、何でしょうか?
僕は90年代の中頃に、この命題を重く受け止め、ふたりのスタイリストと3人で新たなファッション雑誌を作ろうと計画し、動いたことがありました。しかし、僕らには経済力もなく、大人を納得させられるプレゼン能力もなく、その上貧乏暇なしで時間もなく、結果、志は折れました。
その志とは「日本で一番かっこイイファッション誌を作ろう」というものでした。
服を売るための雑誌ではなく、ファッションを表現する雑誌。
企業が喜ぶ雑誌ではなく、フォトグラファーやスタイリストや
アートディレクターが喜ぶ雑誌。
さらには、ファッション好きな男をもっともっと増やすために、
日本の男たちをもっともっとお洒落にするために、俺たちの創る雑誌で啓蒙しよう、
そんな大それたことまで考えていました。
今、『HUGE』の中核を担っていただいている野口強さんは、そのひとりです。
かっこイイというのは、あまりにも稚拙で曖昧な基準です。
何をもってかっこイイとするのか?
その答えは自分たちにある。自分たちがかっこイイと思うものが正解。
自分たちが共に仕事をするクリエイターがかっこイイと思うものをやろう。
だから、写真はブレていてもいいのです。
モノクロでもいいのです。
ピンが来ていても、カラーでもいいのです。
かっこよければ、それでOK。
かっこイイに、国境はありません。世界共通です。
かっこイイに、理屈は要りません。問答無用です。
そのため、かっこイイは時に脆弱で、難解で、冷酷で、傲慢で、孤独です。
ひょっとしたら、これからの時代には適さない哲学かもしれません。
しかし、僕らは、かっこイイという最高の美徳をめざした
ファッション雑誌を作っていきたいという野心に溢れています。
そして、新しい雑誌がもうすぐ誕生します。
リニューアルした『HUGE』です。
これまでの『HUGE』よりも、もっとかっこイイ!
100%ピュアな、蒸留水みたいなファッション雑誌ではないかも知れません。
でも、かっこイイファッション雑誌という目標のもと、
ただその一点を見つめて、可能な限り真っ直ぐに、出来る限り全力で創ったファッション雑誌です。
2月24日、その姿を現します。
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『続・ぼくの鹿児島案内』刊行記念
岡本仁×谷口純弘特別対談トークショー & サイン会
【出演】
岡本仁
谷口純弘
【日時】
2012年3月11日(日)
開場11:30 開演12:00
【会場】
スタンダードブックストア 心斎橋 BFカフェ
大阪市中央区西心斎橋2-2-12
クリスタグランドビル
TEL 06-6484-2239
■営業時間:11:00〜22:30
【料金】
1,000円(税込)
★1ドリンク付き!
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