December 29, 2011
【BOOK】元旦からＮＨＫラジオで松たか子さん朗読の村上春樹特集が放送されます。
近現代文学をテーマにさまざまな朗読者に多岐に渡るタイプの作家が生み出した作品を朗読してもらうＮＨＫのコーナー。元旦から3日連続で女優・松たか子さんが村上春樹氏の「神の子どもたちはみな踊る」を朗読するそうですよ。
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阪神大震災とサリン事件に寄せて書かれた短編集であり、同時に、未曾有の大地震が東日本を襲った今年こそ読み返すべき作品であるように思います。悲しみの底で蹲りながら誰かが来るのをずっと待つ息遣いに、ゆっくりと差し伸べる一本の暖かい手のような一冊ではないかと。
年末の課題図書が決まらない方、寝正月が予定に組み込まれている貴方も、是非。
放送スケジュールはこちら。ご確認下さい。スマートフォンをお持ちの方なら、どこでも聴けると思います。
高校生の頃、収録作の「蜂蜜パイ」を読んで、深い感銘と自分がこれから大人になっていくという「残酷な予定」をまざまざと突きつけられた気分になりとんでもないショックを受けました。まあ実際は特に残酷なイベントもなく、逆に楽観的な大人になりましたが今でも好きな憎めない作品です。そして著者がそこに投影したあの震災の影がどこまでも伸びていくような。とても象徴的な作品群ではないかと。
大晦日と元旦以外は営業しております。営業時間変更の確認はこちらからお願いします。
皆様の２０１２年がよい作品に巡りあえ、読書の悦びに満ちた一年になりますように。
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「神の子どもたちはみな踊る」
村上春樹(著)
出版社：新潮社
￥490＋税
ＢＦ海外小説/文芸の棚でお待ちしてますね。
