December 01, 2010
【BOOK】アメリカにいる、きみ
美しく丁寧に選ばれた言葉と、それをあますところなく日本語に置き換えたくぼたのぞみ先生の名訳。ナイジェリア出身の気鋭、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェによる短編集「アメリカにいる、きみ」。最年少オレンジ賞受賞作家が綴った、ヘンリー賞受賞作。
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著者のひととなりが見えるようなクールで女性的な部分と、アフリカ(あるいはナイジェリア)の抱えた社会問題を決してペシミズムに傾かずに描いた、今までにない海外文学ではないでしょうか。
感傷的に首をもたげながらも美しく飛ぼうとする前のさなぎのような危うさをもって紡がれる10譚は、それぞれの一語一句が流れるようにそこにある光彩や匂いを表出しているようで。
渡米した少女の繊細な心が抱いたかなしみを描いた表題作「アメリカにいる、きみ」もさることながら、個人的に印象に残ったのは「見知らぬ人の深い悲しみ」。
読み終わった後、どこかへ匿名的な場所へ旅立ちたくなるような一冊です。それと同時に、日本人が抱くナイジェリアやアフリカ諸国に対する先入観を軽々と払拭するような爽やかさを含んだ作品でもあるでしょう。
個人的にも、いまとても好きな作家です。先日の来日講演は行けず、非常に残念でした…。
冬のひとり旅のバックの中に、いかがでしょうか。
旅行書の棚にございます。
「アメリカにいる、きみ」
C・N・アディーチェ
くぼたのぞみ訳
河出書房新社
¥1,800+税
感傷的に首をもたげながらも美しく飛ぼうとする前のさなぎのような危うさをもって紡がれる10譚は、それぞれの一語一句が流れるようにそこにある光彩や匂いを表出しているようで。
渡米した少女の繊細な心が抱いたかなしみを描いた表題作「アメリカにいる、きみ」もさることながら、個人的に印象に残ったのは「見知らぬ人の深い悲しみ」。
読み終わった後、どこかへ匿名的な場所へ旅立ちたくなるような一冊です。それと同時に、日本人が抱くナイジェリアやアフリカ諸国に対する先入観を軽々と払拭するような爽やかさを含んだ作品でもあるでしょう。
個人的にも、いまとても好きな作家です。先日の来日講演は行けず、非常に残念でした…。
冬のひとり旅のバックの中に、いかがでしょうか。
旅行書の棚にございます。
「アメリカにいる、きみ」
C・N・アディーチェ
くぼたのぞみ訳
河出書房新社
¥1,800+税