December 23, 2009
【BOOK】過激でポップ
池澤夏樹さん責任編集 河出書房新社 世界文学全集全24巻人がひとりでは生きて行けないように、文学は一冊では成立しない。一冊の本の背後にはたくさんの本がある。本を読むという行為は、それまでに読んだ本を思い出す行為だ。新鮮でいてなつかしい。そのために「文学全集」と呼ばれる教養のシステムがあった。それをもう一度作ろうと僕は考えた。
3ヶ月で消えるベストセラーでなく、心の中に十年二十年残る読書体験。その一方で、それは明日につながる世界文学の見本市、作家を目指す若い人々の支援キットでなければならない。
世界はこんなにも広いし、人間の思いはこんなに遠くまで飛翔する。by 池澤夏樹
今回ご紹介するのは「創造する怪物」トマス・ピンチョンの「ヴァインランド」
この小説は彼が造った恐ろしく大きなお化け屋敷で、そこに80年代のアメリカのポップな呪物がぎっしりと詰まり、ピカピカぎらぎら光り、うなりを上げて回転している。by 池澤夏樹
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1984年、ある夏の朝、北カリフォルニアの山中で14歳の娘と二人、ジャンクにクレイジーに暮らすヒッピーおやじゾイドの目覚めから物語りは始まる。麻薬取締官、連邦政府、マフィアのドン、忍法、カルマ調整師(?)ヴェトナム帰還兵のゾンビ(!)・・・次々と出現する異様な登場人物。仕掛けに満ちたピンチョン・ワールドは時のうねりの中を突き進む・・・前作「重力の虹」以来、17年の沈黙を破って発表された本作。
ギャグ満載のポップな装いの下に、輝けるアメリカを覆う呪われたアメリカ。官憲国家の狂気を、繊細に重厚に、センチメンタルに描き出す。まさに懐かしきパラノイアの祭典。ピンチョン版「1984」(オーウェル作)という人もいる怪作。
「ヴァインランド」 VINELAND トマス・ピンチョン 河出世界文学全集
¥2940 税込み by 「残念な」店長









