May 18, 2021

【BOOK】5/28発売!渡邉格、 渡邉麻里子『菌の声を聴け』ミシマ社

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菌の声を聴け表紙3
いよいよ月末にタルマーリーの本が刊行される!

渡邉格、 渡邉麻里子『菌の声を聴け タルマーリーのクレイジーで豊かな実践と提案』(ミシマ社)

読んだらわかるけど、ほんまクレイジーやで!

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スタンダードブックストアの通販(BASE)で買っていただいた方に挨拶文を同封していて、これまでに2回タルマーリーについて書いているのでそれを一部加筆修正して以下に載せる。


九州や四国が梅雨入りしたと驚いていたら、大阪も梅雨に入ったようで、平年よりも21日早いそうだ。早すぎるやろ!(笑)なんて書けるような感じじゃなくて、心底ヤバい気がする。何十年に一度の大雨が毎年のように降るのと原因は同じで、そろそろ地球が壊れようとしているからではないか?なんとなくそんな風に考えていた人も多い気がするが『人新世の「資本論」』を読んで私はやっぱりそうかと結構納得した。これほど勝手気ままに自然環境を人間にとって都合のいいように弄り尽くして罰が当たらないはずはない。
タルマーリーの渡邉夫妻の新刊『菌の声を聴け』が月末に出るので、前著『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』を読み直したら「自然栽培」という言葉が出てきた。かなり端折っていえば「自然栽培」は土の環境を良くして、肥料も与えず、勿論農薬も使わずに作物が本来持つ力ですくすく育てる方法。実は私もかつて「無肥料栽培」という言葉で聞いたことがあった。20年前になるが東急田園都市線沿線でカフェ、というかレストランを始めた。その時にメニューのディレクションをしていただいたのが当時オヒョイさん(藤村俊二)のワインバーでシェフをしていた夏目安彦さん。夏目さんは私の知らないハイクォリティな食材をじゃんじゃん使っていて、野菜は築地から内田悟さん(現在は独立されて築地御厨を設立。著書も多い)という方が配達していた。その内田さんが運んでいたのが無肥料栽培の野菜。最初意味が分からなかった。有機農法でつくる作物がいいものだと思っていたが説明を聞くとどうも違うらしい。そして定休日に連れていかれたのが当時246沿いの江田辺りにあったナチュラルハーモニー。レストランを併設していて野菜も販売していた。「腐る経済」にも登場するオーナーの川奈さんにもお会いした。味が濃くて力強い野菜だったのを覚えている。私たちがクルマや電車を使い、歩くということが少なくなり、摂取カロリーに比べて運動量が減って肥満になったり、体調不良になるように、植物も無理矢理肥料を与えられ、それに頼るようになると本来の姿とはかけ離れたものになる。私たちの食べているものは一体何なんだろう?と思った。
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先日ひょんなことからタルマーリーのパンを送っていただいた。「自家製天然酵母のパンは、焼き上がり後も徐々に熟成し、数日間味わいの変化を楽しめます。」とあった。
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十分に香りを楽しんでから食べてみると異次元の味だった。なんとなくイキった雑誌ランキング上位のパン屋とは目指しているところが違うのがわかる。パンが発酵食品だと改めて感じ、滋味深いという言葉が自然と出てきた。彼らが常識を疑い、覆し、一から苦労して築き上げたオリジナルだ。最近はビールもつくっているってほんまクレージー!ゲラは読んだので内容はほとんど知っているが、本という体裁になった月末の新刊が待ち遠しくて仕方がない。あっぱれやな。


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昨日はここに(通販の挨拶文のこと)毎日発酵食を食べる努力をしていると書いたが、今日も発酵の話。いや、発酵の話というより生き方の話か。2013年刊行の『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済学」』という本がある。著者は渡邉格。タルマーリーという店でパンづくりを始め、いまはビールづくりもしている。その本の最初に『どんな小さなことでもいいから「ほんとうのこと」がしたい。』とあり、彼はその心の奥底から出てきた言葉に従ってパンづくりを始めた。「ほんとうのこと」…自分が心から楽しいと思えることで、社会に役立っていると実感できること、そんな感じだろうか?それは自然の摂理に反せず、ずっと継続できることだ。
私も父が亡くなり会社を引き継いだ時にはシャカリキになって本を売っていた。景気も良く今思うと恐ろしいくらい売れ、売上が上がり続けるのを喜んでいた。しかしある時、こんなことがいつまで続くのかな?と思った。そもそも売っているという実感がない。お客様とのコミュニケーションはほとんどなく機械のように売り続けることは社会にとって本当にいいことなのか?自分は世の中の役に立っているのか?売上がどんどん増殖するのがいいのか?自信が持てなかった。なぜ売上は増やし続けなければいけないのか?と聞いても納得のいく返答をくれる人はいなかった。何かを食い尽くそうとしているのではないか?そんな気がしていた。結果、いま世の中に歪が表れている(異常気象とか、、、見て見ぬ振りするする人も多いが、気になる方は集英社新書『人新世の「資本論」』を!)。
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形あるものはいつかは滅び、土に還るのが自然の摂理と『田舎のパン屋〜』に書いてある。私たちは『腐らない』お金というものに雁字搦めにされているのだ。渡邉さんの良さは結果を恐れずしゃにむに進むところ。やってみなければわからないと、これまでの常識にとらわれることなくチャレンジする。闇雲なチャレンジではなく、数々の失敗を経てこれまでに身につけた知識がベースにあり、納得できない常識を疑ってかかる。あらかじめ正解を知ってからパンづくりをするのではなく、パンづくりを続けることによってパンの奥深さを知り、それを伝えていく。私には学びの多い本で、彼は小商いを実践することで私の疑問に次々と答えてくれる。店の経営理念は利潤を出さないこと。驚きの理念だが、できる限り地元農家から仕入れ、自分が店のある地域に良い循環をつくっている。しかもそれがパンづくりとして理に適っている。彼は紛れもなく職人だが、みなさんが想い描く職人という感じではなくて、機械化も躊躇しない。むしろ機械化に積極的だ。先日5月末に刊行される彼の次著のゲラを読んだ。次著では彼は新たな地でビールづくりに挑戦している。循環というと同じところをぐるぐる回っていると思われるが、次著ではどんどん循環の輪が大きくなっている。地元の有志と協力して、町に活気を取り戻し住みやすくする活動に着手し、それを楽しんでいるように見える。輪が無理なく大きくなっていて、何かを食い尽くす感がない。誰かが豊かになるとその分だけ誰かが苦しくなり不幸になる。そんな社会にしないためには私たちのような目立たない小商いの役割が大きいのである。タルマーリー・渡邉格、麻里子ご夫妻の新刊に乞うご期待!!(ビールも飲みたい!!)

彼らのようには全く何も成し遂げていない本当に間抜けな私をノックアウトさせるには十分すぎる本だった。
これをスタンダードブックストアで買ったからといって特別いいことがあるわけではないけど、あるかも知れない(笑)うちの店でなくてもいいのでとにかくこの本を買うべし!!

スタンダードブックストア 中川和彦


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