April 15, 2020

常盤新平『ニューヨーク遥かに』〜 My NY 逍遥

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昨日のブログでご紹介した
『お雪のニューヨークを歩くには』
は常盤新平さんの訳ですが、

今日は常盤さんの自伝的小説
『ニューヨーク遥かに』
のご紹介。

安西水丸さんのイラストがサイコー!

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この小説にはリッツォーリをはじめニューヨークの街に実在する固有名詞がたくさん登場する(現存しないものもある)。
これを読めば植草おじさんのように
『その角を左に曲がると〇〇があるよ』
なんて行ったこともないニューヨークを人に説明できるかもしれない(笑)

最近の渡米はアメリカ大陸の半分より西ばかりだが、若い頃は海外の冒険小説、探偵小説…例えばローレンス・ブロックのマット・スカダーシリーズ…なんかを読んでそもそもニューヨークのバーで飲むことにかなり憧れがあった。

そして本に影響を受けやすい私はこの本に登場するビルズ・ゲイ・ナインティーズのハンバーガーがどうしても食べたくなった。バーで食べるハンバーガーが大好きなのである。

『ニューヨーク遥かに』刊行後何年かして、某有名書店(通称はアルファベットを並べて呼ぶ書店で現在とは経営母体が違った)のお嬢さんの結構披露宴に招かれた。
書店友人と一緒だったがなんせ男なのに新婦側の席だから新郎の眼が気になりどうも居心地が悪い。
その同じテーブルにいらしたのが常盤新平さんだった。吸っておられるたばこの香りにかなり癖があった。
ネット検索は今ほど充実していなかったので常盤さんにビルズ・ゲイ・ナインティーズって実在のバーですか?と尋ねた。
ええ、ありますよとお返事いただき2002年の年末に渡米した。
突如決めた飲食視察3泊5日の強行軍。ビルズ・ゲイ・ナインティーズに行きはしたが疲労困憊でハンバーガーは頼まず、カウンターで一杯だけ飲んで退散した。
改めて訪れようと思っていたが叶わないようだ。店を閉めたらしい。ニューヨークで店を続けるのは至難の業。

『ニューヨーク遥かに』で自分のニューヨーク体験がいろいろ甦る。
私が初めてアメリカ大陸に上陸したのはニューヨークだった。まだリッツォーリが57丁目にあった1994年頃。この本にも書いてあるが、映画『恋におちて』の舞台だったリッツォーリは五番街にあった頃のことだ。(今はさらに移転してブロードウェイにある)
美しい内外装、本棚に仕込まれた照明にうっとりした。
階段を上がると営業時間中なのにシャンパングラスを片手に紳士淑女が歓談している。
いったい何事だろう?
それが売場で開催されている出版記念パーティーだと気付くのに相当時間がかかった。
心底驚いた。こんなこともあり!?

泊りはその優雅な書店のすぐ近く、ワーウィックホテル。
セントラルパークにも近くクラシックないいホテルだった。(トランプタワーにも近い)
このホテルはビートルズが初めてアメリカに来た時に泊まったホテルらしい。

その時のアメリカ行きの目的は講談社の親睦団体?書店未来研究会のニューヨーク書店視察。
何でも吸収できる30代だった。
重厚で文化の薫りがぷんぷんする書店ばかりでリッツォーリ以外も驚きの連続。
所謂独立系の書店もたくさんあった。
多分ぎりぎりのタイミングでいい時代の本屋を見ることができたのだと思う。
今でもこんな雰囲気、レイアウトの本屋がやってみたいと思っているBrentano's bookstoreもあった。
こちらもご参照ください『本屋の思い出』 #4

私は日本の書店の雰囲気が好きじゃなかったので『やっぱりこれこれ!』と我が意を得たりって感じだった。
それがスタンダードブックストアのカタチを考えるきっかけになっている。
ちなみにその前年にヴィレッジヴァンガードを初めて視察している。なぜ明確に覚えているかというとヴィレッジが3店舗目を長久手に出店したばかりだったから。
(一時は500店舗もあった!)
その当時しばしば本と一緒に雑貨を置きたいと誰彼となく言っていたら、出版社の友人が『中川さんが言っているような店が名古屋にある』と教えてくれ、それがヴィレッジだった。すぐに視察へ。
ヴィレッジを見てやっぱり本と雑貨を一緒に販売するのはありだと確信し、その後アメリカでバーンズ&ノーブルやボーダーズを見てカフェを併設することを決めた。

ありゃ、本の紹介じゃなくなっている、、、のですが、
新店舗の立飲みもこういうのに影響を受けた所謂立飲みにはならないような気もします。

しかもこの本は品切重版未定。
気になる方は古書を探してください。
今も実在していて魅力的な店もいくつか載っていますので、渡米が許される時までは本で想像するのも悪くありません。

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その代わりにと思ったこちらの『ニューヨーカー短編集』も古書のみ。
常盤さん訳の『夏服を着た女たち』で始まり、常盤さんの解説で締めくくるいい本なのですが、、、
常盤さんの他の著書、訳本をお探しください。


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こちらは2002年年末酔っぱらってホテルに帰る道すがら撮影したアルゴンクィン・ホテル。私には高嶺の花でだが、一度はバーを利用したいなあ。
スタンダードブックストア
中川和彦


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