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『Winkle』は≪リップ・ヴァン・ウィンクル≫というアメリカのおとぎ話から引用して名づけました。
この話の主人公ウィンクルはある時、森の中で見知らぬ小人に声を掛けられ、のこのことついていき美味しいお酒をごちそうになります。つい酔っぱらって寝てしまい、目を覚ますと周囲は一変。寝ていた間に20年もの時が経過し、街に戻るとウィンクルは消息不明の人物とされ、街のひとの記憶からも消えていたのです。
私たちは、ウィンクルのことを手放しに笑っていられません。様々なメディアやデヴァイスに囲まれ、自分の目で見てもない、手で触ってもいない情報、つまりリップ・ヴァン・ウィンクルで言うところの美味しいお酒に惑わされ、日々を過ごし、知らぬうちに置いてきぼりにされているかもしれません。
本誌で掲載するのは、さまざまな形で表現行為を続けながら、今を生きるひとびとの声。メジャーもマイナーも、ジェネラルもローカルも関係ない、我々が受け継がれるべきと考えている想いやメッセージ、考え方。それらを現代の新しい民話と捉え、美しくかつポップなビジュアルと共に展開します。
現代の“Winkle"たちが深い眠りについてしまう前に、この本が目覚めの契機となることを願っています。~Winkle編集部~

コンテンツ
第一特集:REBIRTH OF JAPANESE HIP-HOP
ジャパニーズヒップホップの新しい捉え方

近年、20代前後の若手を筆頭に、熱を取り戻しつつある日本のヒップホップシーンを様々な方面から捉え直します。
≪文化系のためのヒップホップ入門≫の長谷川町蔵氏との共著者としても知られる慶應義塾大学 法学部教授の大和田俊之氏による、ヒップホップを学ぶ楽しみをテーマとしたレクチャーを皮切りに、昨年ヒップホップクルーJAZZDOMMUNISTERSとしてアルバム≪BIRTH OF DOMMUNIST≫をリリースした、 ジャズミュージシャン菊地成孔氏、大谷能生氏の対談+描き下ろしのグラフィティ、御二方が影響を受けたミュージシャン、文学、運動を大谷氏の解説と共に掲載。
若手代表としてSIMI LAB、日本のヒップホップのオリジネーターとしてECD氏、パーティシーンを盛り上げるラッパーZEN-LA-ROCK氏、 アメリカと日本を行き来しながら活動を続けるアーティストSHING02氏のインタビューを慣行。ヒップホップを出自としながら現在はポップフィールドでも活躍するプロデューサー/ドラマーのmabanua氏には、 ヒップホップに傾倒していた時代を振り返って頂くと共に、Winkleの創刊を記念する(ダウンロード可能な)トラックを制作して頂きました。
また、BSスカパーの番組『BAZOOKA!!!』の人気コンテンツ「高校生ラップ選手権」を支えるスタッフ陣に番組の裏側を教えて頂くなど、多彩な顔ぶれとなっています。

第二特集:ONSEN MEETS ART
日本最古の温泉街、道後にのぼせろ!

2014年4月半ばにグランドオープンした愛媛県の道後温泉を舞台とするアートフェスティバル「道後オンセナート2014」。 昨今、地域の活性化を目的に行われるアートフェスティバルが増加傾向にありますが、この道後オンセナート2014は地元の人びとがキュレーション、アートディレクションを行った点が最大の特徴。 Winkleでは道後オンセナート2014のコンテンツだけでなく、裏で支えているスタッフの方々にフォーカスを当てました。
また以前、雑誌『ぴあ』の連載「日本住所不定」で45日の間、道後に滞在したことのある三代目魚武濱田成夫氏に改めて道後に住んで頂き、当時を回想して頂いたり、作品制作などを行ってもらいました。

その他のコンテンツ
・LETTER FROM Switzerland アーティスト、ミリアム・カーンからのメッセージ
・Winkle的 SMALL WORLD アメリカ・ポートランド発タイニーハウス、長谷川銀『FINDER』
・漫画家 和田ラヂヲ連載「伊達や酔狂の果てに見たもの」
・グラフィックデザイナー 大西真平連載「オーセンティック焼肉紀行」
・日本芸能考現学 ゲスト:沖野修也(Kyoto Jazz Massive)
・She was just a girl モデル:久保田紗友


１階音楽書コーナーにて１１１１円＋税で販売中！