November 04, 2013

【BLOGNOYOHAKU】ひとの居場所をつくるということ

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いい本が出た。予想以上だった。感動した。断言してしまうけど、みんな読んだ方がいい。西村佳哲さん著『ひとの居場所をつくる』(筑摩書房)。ランドスケープ・デザイナー田瀬理夫さんの活動を通じて西村さんは『これからの日本でどう生きてゆこうか?』ということを問うている。田瀬さんは『地方の風景をなんとかしたかったら、その地域の農業のあり方を見直す必要がある』『わたしたちが毎日くり返している、ごく他愛のないことの積み重ねが文化であり、景観をも形づくる』といい、実践するために仲間とクイーンズメドゥ・カントリーハウスを遠野につくり、馬と暮らし始めた。そこを訪れた西村さんは『ランドスケープ・デザインは、この世界に人間の居場所をつくる仕事でもあるのだな』と。
11/8お二人を招いたトークショー開催。政治家、役人等『公』に携わる方にも聞いて欲しいものだ。私中川も端っこで、本を通じた居場所づくりについてお話しできるよう頑張ります。
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今年6月、西村さんに誘っていただきクイーンズメドゥ・カントリーハウスで様々な業種、業界の方々と過ごした時の写真。太字は田瀬さんの言葉…本書より。
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クイーンズメドゥ・カントリーハウス。造園的なことはほとんど意識していない。その方が馴染むでしょう。
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馬との生活。無駄なことをしないように考えていると、お金は生むかもしれないけど価値は生み出さない。ひとが「めんどくさい」と思うことのほうが、むしろ価値を生み出すというか。
人がつくったわけではないものが溢れかえっているから、世界全体がなんだか砂漠のようになってしまっているのだと僕は思うんだけど。
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クイーンズメドゥでやろうとしているのは、そういうことなんです。「お金のためにお金を投資する」マネーゲームのようなロジックではなくて、”環境”に投資する。
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アオゲラホール。元は50年前につくられた酪農小屋。全部ゼロからつくるのではなくて、すでにあるインフラを活かしてゆくわけです。
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アオゲラが穴をあけた跡にガラス瓶の底を嵌めてる
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田園や里山の復活は、やっぱり夢中で農業をやらないと無理なんじゃないかと思います。環境を守りながら農業をやる、ひいては景色も守られる。
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本当にこの国の農業を持続させたいのなら、たとえば農業を学びたい若者の学資ローンは国や自治体が引き取って生産するような枠組みでも用意しないことには、いくら本人が始めたくてもできないと思う。農家の戸別補償なんてしないで将来の世代に投資してゆかないと先がないですよね。
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馬の神社『駒形神社』
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これから地上については、所有を超えて使ってゆくやり方をつくり出してゆくことになると思う。
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その地域に住んでいる人たちが、本当に夢中になってやっていることが表に出てくるというか、それが結果としてまちにもなれば、景色にもなる。そういうのがいいんじゃないかと思うんですよ。本物をやるというのはそういうことでしょう。
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これから既存の建物も利用していく計画
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水がきれい。ここにはクレソンが。
宮城県の知事が「漁業権を集約して」と言っているのとは真逆で、場合によっては漁業権も放棄させて流域単位で内陸一帯の河川環境を育てながら、森と川と海の生業をつくってゆく。そうすれば人が訪ねてきたくなるような景色が自然とできてゆく。
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モリアオガエルの産卵。初めて見た。
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疲れて寝ころぶ仔馬。
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じゃれ合い?求愛?
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悲しい現実。土がむき出しのところは除染した跡。
それは建築家もランドスケープ・デザイナーも同じで、「与えられた問いに答える」ような教育を受けてきている。問いそのものを問い直すことはせずに、すぐに解いたり答えちゃう。優秀な人ほど。根本的なところからスタートしない。
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除染といっても土のうわべを取り、掘り返しているだけとか。
本来目指すべきものについて互いに語り合えないまま、行政からせかされるようにまちづくりの計画が進んでゆく。その先に未来があるかどうかは怪しげなままに。

ランドスケープをデザインするというのは、緑をきれいに配置することではなくて、人々がパブリック・マインドを獲得するきっかけづくりに繋がっていないと、やっても面白くないと思う。

わたしたちの商売は美しい田園風景をつくることには繋がらないけれど、本気で商売に取り組むことで、本気で人間らしさを取り戻せるような空間を提供することに取り組むことで、街の風景や空気、雰囲気をいい方向に導くことができるような気がする。本のある『場』にはそんな力が潜んでいるはずである。

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『ひとの居場所をつくる』刊行記念トークショー 
西村佳哲×田瀬理夫×中川和彦



【出演】
西村佳哲
田瀬理夫
中川和彦

【日時】
2013年11月8日(金)
 開場18:45 開演19:30

詳細は → こちら

ぜひお越しください!


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