April 15, 2009

【BOOK】この本によって空想科学小説は遂に青年に達した。

090414_1913~03 これは当時のアメリカの書評である。1950年に発表されたSF小説、「火星年代記」。SF、ときけば敬遠される方も多いと思う。しかしこれは科学用語がとびかうハードSFではない。現代から見ればいささかレトロな感じがしないでもない。(なにせ1950年発表だし・・)著者のブラッドベリはおよそSF作家の中で最も美しい文章で知られる。叙情的で音楽的な文体。ジャンルなど意識せずに呼んでもらいたい。ここではないどこか。今じゃないいつか、につれて行ってくれる作家、ブラッドベリの初期の代表作である。 
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090414_1919~01 1999年から2026年までの火星探査・移住計画が作品の背景。火星植民というテーマをめぐって回転する見事な空想の数々。13のばらばらの内容の短編を、さらに短い詩的な散文でつないだ、いわば連鎖小説・連作小説の形式をとっている。

 本格的な宇宙時代が到来する将来、未来の読者たちはブラッドベリの作品を読み、先駆者の美と、洞察力に驚くだろう。この作品はふしぎな哀愁と未知への驚きの入り混じった感動的な情景をもって幕を閉じる。(最後の短編名は「100万年ピクニック」という)
最後の10行に「やられたっ」と驚き、遠いため息をつくであろう。

 「火星年代記」はある意味、宇宙版千夜一夜物語、である。精神を欠いた物質文明へ厳しい目を向ける、ポエジィとモラルの作家、ブラッドベリのこの「火星年代記」を読み、しばしの間、「ここじゃないどこか」の世界に遊んで欲しい。

 「火星年代記」 早川文庫刊 \882円
BF 海外文学コーナーで販売中。現在手に入るブラッドベリの作品はだいたいあります。ほかのおすすめは「刺青の男」「太陽の黄金の林檎」「二人がここにいる不思議」「緑の影、白い鯨」です。


090414_1913~01 これはランダムハウス講談社から出ている大型写真集「火星からのメッセージ」(在庫あります。¥4987円)

 火星探査機が捉えた本物の火星の写真集。ブラッドベリは当時、火星の情景などまったくわからずに「火星年代記」を書いた。存命中のブラッドベリはこの映像を見て、何を想っただろう。  by S

 

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