May 21, 2008

三ッ寺本屋通信 第30号 by std.

☆☆☆
三ッ寺本屋通信
第30号 by std.
☆☆☆
2008年4月25日配信

■今週の名言■
「人生について書こう。」
『チャンピオンたちの朝食』 カート・ヴォネガットJr著 浅倉久志訳 早川書房

速報など最新情報はTwitterで!

通販ご希望の方はこちら。


通販の一部の商品でクレジットカードが
ご利用頂けるようになりました。 ⇒ こちらから


イベントチケット通販はこちら

 劇中のアメリカ・ミッドシティで開催された、芸術家や小説家が集うアートフェスティバルに物語の書き手である作者自身も登場し、言った言葉。
 SFにおいても時間軸をぶち壊し、皮肉と風刺を効かせるヴォネガットは、本作では自身の作り上げた世界に自分自身を投入するという荒業を実行する。
 他の小説家が物語の脇役をぞんざいに扱うのと同様に、アメリカに住む平凡な人達も政府その他から同じ扱いを受けているのではないかと考えたヴォネガットは、自分こそは全ての登場人物に同じ重みを持たせ、全員の人生を書こうと決める。
 ヒーローと民衆しか認めないアメリカ社会を痛烈に批判し、一般的な民衆などというものは存在せず、ひとりひとりの人生があるのだという主張が、ふざけながらも綴られるディティールに活きている。
 
■今週の新刊■
『Monkey Buisiness vol.1 野球号』 柴田元幸責任編集 ヴィレッジブックス
monkey
モンキービジネスとは猿仕事、つまり簡単な仕事のことだと早合点した人、それはやっぱり早合点です。どんな意味が込められているのかは、ぜひぜひ本書を手に取ってお確かめください。
 世に文芸誌と名乗るものは数あれど、海外文学を扱った文芸誌はそうそうありません。そこはさすが翻訳階の第一人者、柴田元幸編集長です。オースターとの野球話はもちろん、自身の翻訳作品も収録。川上弘美、川上美映子、岸本佐知子…など人気作家も揃っています。
 「で、一言で言うと、どんな文芸誌?」と聞いてみたい衝動に駆られたあなた、そんな野暮なことは言っちゃいけません。一言で言えるのなら、誰も長い小説なんて書かないし、読むほうだって最初から鋳型にはめられてしまいます。
 3ヶ月ごとに発売、という嬉しいスローペース。文芸誌はこれくらいがいいです。追い立てられるように読むのは悲しいじゃないですか。じっくり味わいましょう。

文芸誌とは思えない特色印刷のポップな表紙!

■今週のニュース■
『ジェイン・オースティンの読書会』公開記念!!
シネマ&ブックフェア開催!チケットプレゼントもあり!
 なんとアメリカでは女性の3人に1人が参加しているという噂の「読書会」。「読書会?なにそれ?」という人が多いはず。朗読会ではありません。あくまで事前に決められた本を読んで集合、そして本の内容について語り合う…というのが読書会。そんな文化の薫り高いイベントをそんなに多くの人が開催しているとは信じがたいですが真実のようです。同名の小説はアメリカではベストセラーとか。
 この作品ではジェインオースティンの『高慢と偏見』『エマ』など6つの小説と登場人物6人の現実生活とがシンクロしていく様をユーモラスにかつロマンティックに描いたハートフルな作品。夫に別れを切り出された主婦、教え子に惹かれてしまう女性教師、恋愛は必要ないと決めていたドッグトレーナー…などなど、恋愛と小説をめぐる群像劇。
 この映画の公開を記念して、お好きな映画の原作となった海外文学作品のおすすめコメントを募集します!映画の原作となった海外文学ならば、どんなタイトルでもけっこうです。優秀作品は映画チケットのプレゼントはもちろん、当店のPOPとして活躍していただきます。

※5月21現在キャンペーンは終了しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。次回は5月9日(金)の予定です。


standardbookstore at 15:16│Comments (0)clip!MAIL MAGAZINE 
★通販★
※BASE通販サイト※

※BASEはコンビニ決済・クレジットカードがご利用頂けます。

・海外雑誌

twitter
Access
〒大阪市天王寺区堀越町8-16 TENNOJI BASE
TEL.06-6796-8933
[acsess]
JR大阪環状線・御堂筋線・谷町線・近鉄線
天王寺駅 徒歩6分


詳しい地図はこちら>>>