December 21, 2007

三ッ寺本屋通信 第20号 by std.


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三ッ寺本屋通信
第20号 by std.
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2007年12月7日配信

今週は御堂筋の銀杏の葉が、見事に舞っていました。とうとう本格的な冬がやってきます。

■今週の名言■
悲しくも嬉しくもない。ただ一つの願いがあった。すべてが終わった今、何かいいことをしたい。自分ひとりにしか分からない、いいことを。
【万華鏡】『刺青の男』収録 レイ・ブラッドベリ著 小笠原豊樹 早川書房
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 私も死ぬ時、こんなことを思うのだろうか。
乗っていたロケットが隕石にぶつかり、乗組員は宇宙空間へ投げ出された。各々がそれぞればらばらの方向へゆっくりとだが確実に散っていく。お互いの交信も途絶えた真っ暗闇の究極の沈黙の中、薄れる意識の中で主人公がつぶやいたのがこの台詞だ。
 彼はひとり、地球の大気圏に突入する。「だれかにおれの姿が見えないものだろうか」と想いをはせて。
 人はどんなに孤独を感じていても、どこかで誰かとつながっている。悔やむばかりの人生でも無意味ではない。ブラッドベリはそう言っているのかもしれない。ラストシーン、イリノイ州の田舎道で黄昏の中を母親と歩いていた少年が言う。「あ、母さん、見てごらん!流れ星!」
 いつまでも心に残る珠玉の18ページ。肌寒くなってきたこの頃、夜更けにそっと読み返したくなる。

■今週の新刊■
『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎著 新潮社
 著作が次々と映画化され、伏線の張り方とその収斂、そしてクールな台詞まわしで圧倒的な人気を誇る伊坂幸太郎の二年ぶりの書き下ろし長編。
 政治、陰謀、そして立ち向かう市井の人々・・・なんだかまるで村上龍の小説のようだけれど、会話のかっこよさとぼんやりした主人公のキャラは間違いなく伊坂作品。アメリカ建国史上最大の陰謀とされるオズワルド事件をモチーフに、ビートルズ最後の音源「アビーロード」が静かに流れ、得意の時間軸を交差させるストーリー展開が次へ次へと読者を読ませてくれる。陳腐な事件をマスコミが大騒ぎしているとき、国会では重要な法案が通っている、とは昔からよく言われることだけれど、現代日本に漂うそんな気味悪いものたちへ、あたたかく爽やかに警鐘を鳴らしている作品だ。
 
■今週のニュース■
スタンダードブックストア1周年!
 皆さま、いつもいつも本当にご来店ありがとうございます。おかげさまで12月1日をもって一周年を迎えることができました。このたび、それに感謝して…感謝して…感謝しています(笑)!
 とくに何もございませんが、本や雑誌、文具雑貨はもちろん、読み放題カフェもこれからもどんどん使ってやってください。
 今後ともよろしくお願いいたします!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。次回は12月21日(金)の予定です。

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